明治、大正、昭和の日本の市販薬のパッケージデザインを紹介します。

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株式会社小林商店の薬用ライオン歯磨

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“おはようからおやすみまで、くらしに夢をひろげるライオン”の前身にあたる小林商店が、1896年(明治29)から販売していた粉状の歯磨き粉です。
この歯磨き粉がヒットしたことにより、小林商店は社名を”ライオン”とすることになりました。
この商品は、”口腔衛生50年の経験と、最新の予防医学に基づいた薬用ライオン歯磨”と、書かれているので1940年から戦前くらいのものでしょうか。

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歯磨き剤の歴史は古く、紀元前1500年の古代エジプトではすでに練り歯磨きと粉歯磨きが作られており、その作り方を記した21mのパピルスが残っています。
日本で歯磨剤が使用されたのは、応神天皇(270-310年)の頃で、塩歯磨きを使っていたといわれています。

日本での、歯磨き剤の商品化はずっと時代が下って、1625年(寛永2年)。
丁字屋喜左衛門が朝鮮半島から来た人々から、粉歯磨きの作り方を習って「丁字屋歯磨」「大明香薬砂」を製造。「歯を白くする」「口の悪しき匂いを去る」のキャッチコピーを添えて販売を始めました。

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日本初の練り歯磨きは、1888年(明治21年)に資生堂が発売した「福原衛生歯磨石鹸」。
それまで日本では粉歯磨きしかなく、石灰岩の粉末に香料を入れたものだったため、歯を磨くことはかえって歯を傷めることにもなっていたのですが、この商品は歯石を科学的に溶解するうえ、使用感も良好だったため評判になりました。
粉歯磨が1袋2~3銭の時代に、歯磨石鹸は陶器の容器に入って、25銭とたいへん高価な品物だったが、売れ行きは上々だったそうです。

今、一般的なチューブ型の歯磨き粉は1911年(明治44)に小林商店から発売された「ライオン煉歯磨」。写真の袋の裏にも図が載っている商品ですね。
チューブはまだ国内では生産しておらず、高価なチューブをわざわざアメリカから輸入して製造していたそうです。

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